心電誘導コード・ミニ について

PC-103

往診・在宅医療で心電計の検査が、パソコン心電計を使うことで益々便利になりました。
しかし、更に使いやすくするにはどうするかと考え、新しい心電誘導コードを開発しました。
名付けて 誘導コード・ミニ。

目的は重量を軽くする。かさばらない。
それにはコードの長さを大幅に短くしました。

重量比は従来型胸部6本用と比較をして約半分。

従来型(胸部6本):380g
ミニ型:210g

cable

コードを短くしたので、電極の装着を新たに考えました。といって、標準12誘導の波形と差があってはいけません。
実験を重ね、最適な方法を見いだしました。

誘導法による波形の違いを表してみました。
標準的な装着、 ML誘導、 三栄式 の比較です。
ML誘導(Mason-Liker誘導)とは、四肢の装着位置が左右鎖骨上下、左右肋骨弓の下端に位置します。
ホルターや運動負荷心電図などに使われます。
三栄式とは、両手は肩から肘の間に装着し、両足は足の付け根の体側に付ける方法を考えました。
両手首、両足首に装着する場合に比べ、誘導コードが短くできます。

STD12_ML_SANEI_hikaku

ML誘導は、運動中にノイズが混入しにくいメリットがありますが、 安静時の心電図をとることを重視した場合は不適当と考えます。 Ⅰ誘導のQRS波高は低く、aVF誘導が高くなる傾向にあります。
更にわかった事は、RV5+SV1 とコーネル値が低くなる傾向です。
三栄式はそのデメリットが改善されているので、比較的標準12誘導の波形に近い事がわかりました。
各計測パラメータの時間幅については殆ど一致しています。

これにより、今回開発したコード長が短くて軽い心電誘導コード・ミニは、優れたケーブルであると自負しています。